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海野和男のデジタル昆虫記

構造色の鱗粉

構造色の鱗粉
2014年08月30日

  大阪オリンパスギャラリーでの写真展、毎日更新15年小諸日記-Since19999-は終了しました。ご来場ありがとうございました。
 高嶋君のサイトを見たら、カラスアゲハの鱗粉の拡大写真が載っていた。何でも顕微鏡のレンズを使って何十枚もの深度合成をしたとか。
 ちょっと刺激を受けて、鱗粉を撮影してみた。こうした撮影は何十年も前から顕微鏡レンズや、焦点距離の短い拡大マクロレンズを使って撮影されていた。ぼくもやってみたが、10倍以上では満足する写真が撮れなかった。最近たいへんクオリティーが上がってきたのは、深度合成の技術が確立されたからだ。撮影法と、Photoshopを使っての深度合成のやりかたは、ぼくの海野和男の昆虫撮影テクニック・増補改訂版に詳しく書いてある。
 10倍以上の拡大撮影の画質は、どんなレンズを使うかがポイントになる。レンズによって良い画像の得られる拡大率も限定されてくる。
 アトリエには拡大用の単焦点レンズはたくさんあり、顕微鏡レンズも何本かはあるのだが、最近はほとんど使っていないので、なかなか見つからない。とりあえず見つかったのはミノルタのBellows Micro ROKKOR 12.5mmF2.0。
 このレンズは70年代に新品を購入したと思う。蝶の卵を撮るために使ったが、当時は深度合成などないから、絞ると画質低下が著しいし、絞りF5.6程度ではピントが浅すぎて、あまり使い物にならなかった。
 このレンズは、もっと昔からあるライツのフォタール12.5mmと基本レンズ構成は同じものだろうが、フォタールがF5.6までしか絞りがないのに、ミノルタはF16まである。今回使って見ると、F2.8で最良のピントが得られた。後から検索して解像度やMTFのグラフを見たら、やはりF2.8が最も良いようだ。
 深度合成はブレを防ぐためストロボを用い、10枚ほど撮影して合成した。上がルリモンアゲハ後翅表で下がニシキツバメガ前翅表。
 面白いのは構造色を持つ鱗粉は、鱗粉自体がカールしていることだ。いずれも鱗粉にはスジが入っている。カラスアゲハ系の鱗粉はスジと言っても、構造色を持つ甲虫の前翅のように、かなりでこぼこがあるようだ。
 約10倍の撮影(フルサイズ換算20倍)。カメラは一番ぶれないE-M1の先幕電子シャッターを用いi-finishで撮った。i-finishなので少しコントラストやシャープネスが強くなっているようだ。囲みの中は一部を拡大したもの
 クロアナバチが獲物を持ってスカイダイビングをアップしました。 
 クロアナバチが巣に獲物を入れる動画も以前アップしてあります。

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