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海野和男のデジタル昆虫記

頂いた本の紹介

頂いた本の紹介
2014年09月13日

 久し振りに事務所にいる。今年の夏は、ほとんど留守で、郵便物も開封していない有様。何冊か本を頂いていたのに、紹介もせずに、申し訳なく思った。
 まずは川口邦雄さんの第二界 山よお前は美しすぎるという写真集。新しい写真ではなく、昔に撮られたモノクロ写真で、立派な装丁の豪華本だ。
 川口さんの同名の写真集が1973年に発行されている。「初版当時の山岳写真といったら、風景や造形などのジャンルの片隅で疎んじられていたので名誉掲揚の意図があった・・・」とあとがきに書かれていた。
 川口邦夫さんは著名な山岳写真家で、ぼくがいま会長をやっている日本自然科学写真協会でも長年役員をされたりと関係が深い方だ。そういえばぼくが写真をはじめたころは確かに、昆虫写真も写真の片隅に置かれていた。自然科学写真協会の昔の会長の佐々木崑さんや、長年、評議員をされている栗林慧さんらの活躍で、今は昆虫写真家もいっぱしの写真家として認められるようになった。だから今の昆虫写真家は恵まれているなと思う。
 2冊目は若手の日本自然科学写真協会会員の尾園暁さんの「ハムシハンドブック」。小型の本だが美しい標本と、尾園さんの優れた写真技術の生態写真がうまくミックスされた本だ。ハムシは甲虫の中では、標本にすると色が変わるものが結構ある。生態写真無しには一般の人がハムシを同定することは難しい。掲載種は200種という。
 ハムシは大きなグループで日本には800種弱がいるから、おおよそ1/4が掲載されていることになる。今まで手軽なハムシの同定本がなかったことを考えると.この種類数でも意義は高い。しかも標本は深度合成で撮られているそうだから、見応えがある。本だけでなく、WEB図鑑であったら、細部まで確認できる。そんな企画もやって欲しいなと思う。
 次の本も日本自然科学写真協会会員の酒井雅秀さんによる酒井雅秀写真集 信州 蝶の歳時記という写真集。1993年から2013年までの20年間の集大成となっている。酒井さんの写真は広角にストロボという、ぼくの以前のスタイルに近い写真で、インパクトがある写真だ。なんだか懐かしい感じがして、ページをめくった。
 もう一冊は、長年多摩動物公園昆虫館をやられていた高家博成さんの虫博士の育ち方 仕事の仕方。行った展示や伝える工夫が、実に淡々と語られている。高家さんは昆虫が本当に好きな人なのだなーとあらためて思った。高家さんの暮らしぶりや実践が語られている。昆虫館や博物館、また自然を伝える仕事をしている人や、したいと思っている人にとっては、必読書でもあると思う。

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